バイオリンを買う

レンタル期間の3ヶ月があっという間に終わりに近づいた。
そろそろ楽器を買うか、レンタル期間を延長するか、
考えなければならない。
楽器を買うことはダンナから了解をもらってあったが、
予算に合う、気に入った楽器がすぐ見つかるとは思えなかったので、
とりあえずレンタル期間を延長しつつ、
楽器を探してもらおうということになった。

先生と一緒に楽器をレンタルした店へ。
プランを話すと、「レンタル延長はとりあえず待って。
お金を払ったらおしまいだよ」と言われ、
楽器を2、3台見てみる。
先生が引き比べてくれたが、
当初の予算ではあまり数がなくて、比べるのも難しい。
もう一度予算を見直した上で、
予算に合う楽器をあらかじめ用意してもらうことにした。

ダンナと相談した結果、
あんまり安い楽器を買っても飽きてしまうだろうということで、
当初の予算の2倍までなら買ってもよいと承諾を得た。
その旨を先生に伝え、楽器屋さんと話をしてもらう。

再度楽器を見に行く日、
よりによって乗り換えのAUBER駅が構内工事で
通常の乗り換え口が使えず、
迷いに迷って大遅刻。
ようやくたどり着いた楽器店で引き比べ開始。

今回は10台あまりの楽器が出てきて、
しかも値段も似たようなものばかりなので、
違いがはっきりしない。
弾いてくれている先生も「違いがわずかで難しい」とおっしゃる。
途中25万フラン(約500万円)の弓、500万フラン(約一億円!)の楽器も見せてもらい、
いいものはやはり違う!と実感しつつ選別を続ける。
待ちくたびれた馨は空調の効いたクラシックのかかる店内でまた寝た。

最終的に2台の楽器が残る。
一台は簡単に大きな音が出て華やかな感じ。
もう一台はちょっと渋めの音がする。
私は後者の音が気に入ったので、こちらを選ぶ。
支払いは分割にしたかったのだが、
この金額では分割にできないとのことで、
泣く泣く一括払い。
レンタル期間最終日だったので、
当初の契約どおり、
レンタルのとき払った保証金とレンタル料金3か月分が
返ってきた。
購入金額と比べれば微々たるものだが、
それはそれでうれしかった。

家に帰って弾いてみると、
音の立ち上がりがレンタル楽器と全然違う。
なんといっても弾きやすい。
それに指で弦を押さえても
開放弦と同じくらい楽々と音が出る。
さあ、せっせと練習せねば。
まだ子供たちに楽器は触らせられなかった。



おふらんす生まれです