ナポリの運転ってやつはまったくもう

よくイタリアの北と南は全然違うと言われるが、
ナポリに行くとそれを身を持って実感できる。

まずはすごい交通量だ。
それは別に驚くに値しない。
イタリアには他にもそんな町がたくさんある。
その交通マナーが驚愕ものだ。
イタリアってところは概して赤信号も守らないヤツが多いのだが、
ナポリも例外ではない。
しかも、そもそもの道のつくりに問題があるのか、
すぐに渋滞する。
フランスでもありがちだが、
交差点で右折、左折の車がスタックしてしまって
誰も動けなくなってしまう。
フランスだとこれでも自主的に解消されるのだが、
なぜかイタリアは解消されない。
いつまでたってもスタックしている。
とうとう最後には一般車なのに「俺たちは警察だー!」と
警察手帳(かどうかは知らんが)を示して道を開けさせたつわものもいた。

とある道では別に右折左折は関係ないのに動かない。
後ろからどんどん車がたまるし、
バスまではまって大騒ぎだ。
後ろからどんどん人が降りてきて前のほうに見に行く。
もしかして事故?と思っている頃に
ツツツーと誰かが寄ってきて目の前の車に乗り込む。
…ひょっとしてあんたの車がじゃまになっていたんじゃ?
そんなことはおかまいなしだ。

ナポリの一番の特徴は
思い通りに運転できないとどんどんクラクションを鳴らすこと。
だから本当にうるさい。
フランスはあまり鳴らさない。
日本のほうがよく鳴らすと思っていたけど、
ナポリに比べたら静かなもんだ。

何日か運転しているうちにダンナが
「ナポリでは赤信号で歩行者がいるときは
車は『停まってもいい』んだな」とつぶやく。
運転に関してはもうなんでもありなんだな、と思えた。
一方通行の逆走は当たり前、
中央分離帯を乗り越えてのUターン、
右折レーンから突然の左折、その逆、
ナポリではすごく多いバイクの二人乗り、
時には三人乗り+手には子供用自転車というのも…。
さらにそこを路面電車が通る。
もうむちゃくちゃだ。
逆にあらゆる交通パターンが存在するため、
「ここ曲がっても大丈夫かな?」なんて思っても
顰蹙を買うことがない。
みんなやってるからだ。
そういう意味では楽な町だ。

最後に。
ナポリ以南ではイタリア国籍以外の車に出会わなかった。
さすがに遠いんだろうか。
それともここで運転したくないから…?