やっぱりローマ遺跡めぐり

ポンペイ

ナポリに行ったらはずせないだろうって感じのポンペイ。
でも「遺跡」という言葉には「廃墟」というイメージが
どうしてもつきまとう。
ポンペイも「町の跡」というつもりで行ったのだが、
いきなり入り口にある立派な町並みに驚く。
これならつい何十年か前まで人が住んでいたと言っても
絶対通用する。
町は碁盤の目のようになっていて、
地図がないと効率的にまわるのは難しい。
大体の見どころは入り口を入って手前半分に集中しているが、
見どころじゃなくたって一軒一軒見ているだけでも
住んでいた頃の様子が彷彿としてくるようで飽きさせない。
石畳の道にはわだちがくっきりと残っており、
いかに栄えた町だったかを物語っている。

凱旋門もある
  

この日は寒かったので、
子連れの我が家はポイントだけ見ようと思っていたのだが、
あまりにも有名な人型、
他の壷やら彫刻やらの出土品と共に柵の向こう。
近くで見れないのか…。

でも柵越しに写真を撮った。
十分リアル。



外れにある秘儀荘を行かないことにしたら、
楽しみにしていたヴェッティの家が開いてなかった。
壁画が何も見れない。
ちょっとがっかり。
まあ有名どころじゃなくても
壁画が少し残っていたり、



モザイクの施された水道らしきものが見えたりしたので
それはそれでいいとしたが。
モザイク調の入り口が素敵だと思って入ったところは
多分公衆浴場。
立派な彫刻と天井の細工にうっとり。

最後に外れの劇場跡を見学して終わり。
モザイクはあれしかないのかな?と思っていたが、
後日ナポリにあるナポリ国立考古学博物館に行って解明。
重要なものは全てこちらに移されていた。

国立考古学博物館はピンク色の派手な建物なので、
近くに行けばすぐわかる。
我が家はずうずうしく博物館の駐車場に行き
「停めたい」と言ったら、
「本当は職員用の駐車場なんだけど」と言いつつも
入れてくれた。
何でもありだ、ナポリ。
おかげでとっても楽させてもらいました。

入るといきなりギリシャやローマ時代の彫刻が
無造作に飾られていてそれだけで十分感動してしまうが、
時間がなかったら目的の部屋に急ぐべし。
(でも彫刻も一見の価値大ありです)
途中にモザイクの間があり、
そこにポンペイ始めいろんな遺跡から出てきた
モザイクがたくさん飾られている。
これがもう圧巻。

海の生き物のモザイク


初期の頃のものか?と思われるような
かけらの比較的大きいものから、
近くに行かないと絵にしか見えない、
凝ったモザイクまで様々。
そしてその奥にはポンペイの「秘宝館」が…。
お子様入室禁止です。

博物館の構造がどうなってるのか、
実はよくわからないので適当に歩いたのだけど、
(チケット売り場で地図がもらえるのか、
ガイドブックを買わないとならないのかわからないが、
地図は必要です!)
最上階は教科書でもよく見るような茶色に黒で模様のかかれた壷、
(いつの時代のものなんでしょうか?)
近郊の海や島から出土したものなどが展示してある。
その横に「ここ何だ?」と思う入り口があり、
入ってみたら、そこに有名なポンペイのフレスコ画が飾ってあった。
入っといてよかった。

ブリンディシ

「あの」ローマのアッピア街道の終点があるというブリンディシに行ってみた。
もうほとんどついでだったんですけどね。

憧れのアドリア海を見ながら到着。
町自体はこじんまりとしていて、
やしの木なんかが植わっているところはいかにも南国!
カエサル(おっと、フランス語ではセザール)の像がローマの名残を感じさせます。



海を目指していけば目的の終点につけるはずなんだけど、
一方通行が多くてなかなかたどり着けない。



ようやくたどり着いたそこは、
アッピア街道の終点を示す柱と記念プレートでした。
ここにはもう当時の道のあとはありません。
多分この辺を通っていたんだろうなあと想像するのみ。

レッチェ

今回の旅行で最大にして最高の寄り道。
本当は行く予定ではなかったのだ。
ただ、アッピア街道の終点のブリンディシに行くついでに
その近くのレッチェも寄ってみようか、
ナショジオ」にも取り上げられているし、
トリノでもらったイタリアの地図
(これが秀逸。イタリア全土の道路地図はもちろん、
地名や名所旧跡がお勧め度合いに応じて
三種類の文字の大きさで記してある)にも
イチオシの大きな文字で書いてあったからだ。
イタリア人も勧めるレッチェ、どんな町なんだろう?

寄り道の最後に行ったので、着いたのはすでにたそがれ時。
目指すサンタクローチェ教会を探す。
町の中心部?と思われるにぎやかなところに出ると、
特設スケート場が大賑わい、
ほぼ暗くなった町にはクリスマスのイルミネーションが光る。
そしてその横にはもう一つのアッピア街道の終点の柱、
(ブリンディシから持ってきたらしい。
だから、ブリンディシには一本しかなかったのだ)
隣にはなんと劇場の遺跡だ!
もちろんローマ時代のもの。

   

町の雰囲気もナポリの雑多な感じとはうって変わり、
いわゆるヨーロッパの町、のイメージに近い。
同じ南イタリアの町か?と思うくらい。
レッチェ、奥が深いぞ、と驚きながら歩いていて
ついに発見。



たそがれ時でも真っ白い教会はよく映える。
青空の下で見たらさぞかしきれいだろう。
レッチェに長居するつもりではなかったので、
名残惜しみながらレッチェを出る。
するとレッチェの町の周りは城壁のように取り囲まれており、
門もいくつかあるのだが、
門のところにはこれまた繊細な彫刻が
これでもかというくらいに施されている。
レッチェがイタリア人のイチオシ観光地だって意味がよく分かったよ!!
あああ、もっと早く知っていればここに一泊したのに!!
確かに街中にはイタリアナンバーの観光バスが何台も止まっていた。
フランスからも日本からもすっごく遠いし、
レッチェのためだけに来るのはちょっともったいないのだけど、
いつか必ず再訪したい町だった。

ポンデュガール

ローマ帝国の水道跡。
場所はニームなのですが、
泊まったアヴィニヨンからも一時間くらいだというので、
さっそく行きました。

アヴィニヨンからの道程はしつこいくらいに
看板が出ているので多分迷いません。
ついたところは巨大駐車場。
でも冬だから閑散としています。
夏はここが満杯になるのだろうか…?

入ってすぐはポンデュガールの全景の模型や
ポンデュガールについて学べる図書館などがあります。
こういうのがついてるのってフランス的だよね。
ゆりちゃんたちは図書館に行きたがったけど、
まずは目的のものを見ようとポンデュガールに向かいます。

しばらく歩くと遠くからでも目立つ橋が見えてきます。
これがポンデュガール!!

写真は裏から見たところ


以前はなんと一番上の部分を歩くことができたのだそうですが、
さすがに危険なので今はダメ。
橋の横に昔からあるのか観光用に作ったのか分かりませんが、
広い通路があります。
かつて橋を歩けた頃の名残の石の階段があったので、
登ってみます。
そのまま山をグルーッと歩くと
ハイキングと周囲の地形の観察が兼ねられるよう。
うちはそこまで根性がないので、上から橋と記念撮影して
さっさと下山。

それにしても。
本当に昔の人ってすごいですねー。