再びチュニジア

2003年7月31日〜8月14日




チュニジアなんてもう二度と行けないと思っていたのですが、
また行ってしまいました。
同じところには二度行かない方針なのですが、
さすがに6人家族となると行き先にも制約が多いのです。
海があって大きなプールがあってクラブ形式のところ。
でもって値段はそこそこのところ。
そんな都合のいいところはそうそう転がっていません。

最初はイタリアを考えていて、
実は決まりかけていたのですが、
予約のタイミングが一歩遅れたのか、
「取れなかった~!」と旅行代理店から泣きの電話が!!
すっかりイタリアモードになっていた私たち、
気持ちを切り替えるのに時間がかかりました。
2年前に行ったチュニジアのホテルもかなり粘って探しましたが、
フランスから代理店が撤退してしまってダメ。
ここまで追い詰められるとなぜだかよさげなところが
見つかりだす。
しかし、よさげなところは直前に取れるわけがない。
結局プールがきれいなチュニジア再訪に決まりました。
今回はチュニスです。

厳しい入出国検査

入国検査は厳しい。
パスポートを全員分チェックするし(当たり前だが、久しぶりだった)、
チュニジア人の入国はパスポートがあるのにことさら厳しかった。
その反面甘いのがフランス人。
なんとチュニジアにはパスポートなしで入国できるのだ。
大多数はIDカードや免許証で入国。
旧植民地とはそういう協定になっているのか?
それにしてもなんだかなあという光景だった。
おもしろいのは、入国時も手荷物のエックス線検査があること。
飛行機が無事着いたんだから今さら手荷物検査でもなかろうと思うが、
自分の国に危険物を持ち込まれたくないのかも。

出国検査では入国時にもらった入国カードの半券が重要。
これがないと出国できない。
ホテルでも「航空券と入国カードを無くさないように」とさんざん言われたが、
運悪く出国検査の窓口でこの半券が見つからなかった某家族、
地獄の様相を呈していました。

LOOKEA

今回はLOOKEA(ルッケア)という、
フランスではわりとメジャーなクラブ形式のところを選びました。
うちは初めて行ったチュニジアの印象が強烈なので、
同じくらいのものをどうしても求めてしまうのだけど、
あれはイタリア人の気質、フランス人に求めるのは無理よ、と
私は内心思っていました。
プールが楽しめればよしとしよう、と。

飛行機はstar airlines。
これってLOOKEAの持ち航空会社なのでしょうか?
そのへんよくわからなかったのだけど、
空港のお姉ちゃんはそんなようなことを言っていた。
だからどうってことはなかったのだけど、
その威力は帰りに発揮されたのだった…。

トラブルその1。
行きののチェックインカウンターで
「ベビーカーを飛行機に乗る直前まで使えるか?」と聞いたら、
「OK」とのこと。
しかし、いざ搭乗しようとしたら、
スチュワーデスが「これは乗せられない。
チェックインカウンターに戻ってベビーカーを預けてちょうだい。
そうしないと次の便に乗せることになるけど、
次の便は一週間後よ」とのたまった。
だってさっきいいって言ったじゃん。
と言ってやったのだが、ダメの一点張り。
前に並んでいた日本人風(だがフランス語ペラペラ)のお兄ちゃんが
「子供が4人もいてそれは無茶だ」と援護してくれたが、
おばちゃんは聞く耳持たず。
「もお~、カウンターのお兄ちゃんに聞いてみてよ!」とぶち切れる。
ダンナは弱気に「カウンターに持っていくよ」と言っていたが、
私は強気。
そうしたら、おばちゃんが戻ってきて
「乗せられることになったから、ここに置いてってちょうだい。
でも気をつけなきゃダメよ」だと。
気をつけるのはあんたの方だろう。
社内で意思疎通をしっかりしておいてくれ。
本当に乗せてくれるのか不安にかられながらベビーカーを置いていく。
飛行機はeasyJet顔負けの狭さ(ダンナ談)だが、
チュニスまで2時間だから許せる。
一応食事のサービスもあった。

リゾート村

着いたところは両隣も同じようなリゾートの並ぶ、リゾート村。
もちろんホテルやプールはそれぞれ別なのだが、
海は境界線の引きようがないから歩いて隣まで行けてしまう。
おみやげ屋さんやチュニジアではよくあるマッサージ・ハマムは
お客を共有。うまくできている。
海で客引きしているラクダで散歩、とか水上スポーツも共有。
さらに言えば、隣のホテルにだって潜入可能。
うちも両隣とも行ってみた。
もちろん向うもこちらにこっそりやってくる。
プールサイドを散歩するくらいだったら黙認しているが、
プールに入って遊んでるとおとがめあるらしい。
一応宿泊客向けのサービスだからか。
しかし、ビュッフェ形式の食堂まで潜入している客もあった。
これはさすがに目立つと思うが、
誰も何も言わないところを見ると、従業員の関係者かも…。

あとで仕入れた情報によると、
LOOKEAはこのチュニスのリゾートを買い取ったばかりらしく、
一般向けにオープンしたのはこの夏が初めてのようだった。
やっぱり、と思うのは、
庭がけっこう荒れ果てていたこと、
今さらのようにあれこれ手入れしていたこと、
建物にもだんだんLOOKEAの表示が増えていくのが
日を追ってわかること、
LOOKEAの表示がとってつけた感じのすること、などなど。

毎日少しずつ完成していく壁の絵。


食事はビュッフェ形式で、基本はフランス料理なのだけど、
チュニジア料理が一品用意されていたり、
日によってイタリア料理の日、チュニジア料理の日、なんてあるのは
今までのリゾートと一緒。
イタリアンの日はすごくうれしかったけど、
初めてのチュニジアンディナーの日、
あまりにチュニジアンすぎてどれを食べていいのか分からず。
大人はいいよ、いろいろ試してみればいいんだからさ。
困ったのは子供。
レストランのおじさんに「子供には何を食べさせたらいいの?」と聞いたら、
「チュニジア料理は辛いから、サラダかデザートかな」だって。
不評だったのか、その次の週のチュニジアンディナーの日は
チュニジア料理半分、フレンチ半分と
割合が変わってた。
料理の量もあれこれ試行錯誤していたようで、
最初の頃は食事時間の終わりごろでもどっさりあったけれど、
半ばくらいから食事時間の最後の方に行くと
あれこれなくなっているものが目立ちました。

部屋は海かプールか庭に面しています、となっていて、
うちは庭に面していたのだが、
広告に偽りあり!!だった。
とても庭と呼べる代物ではない。
以前はドイツ人向けリゾートだったようだ。
(ホテル内の表示にドイツ語が多い)
チュニジアの人は多言語を操るのだけど、
お客がいきなりドイツ人からフランス人に替わったら、
やはりとまどうんだろうなあ。

お楽しみ(かつ評価の分かれ目である)の夜のショー。
ある日はショーの途中でブレーカーが落ちた。
舞台上真っ暗。
その日は何度やっても直らず、とうとうショー中止。
おまけにその日は夜中だけで停電が3回。
どうやら電気の使用量がまだ把握できていないらしかった。
まだなじんでいないのだ。
きわめつけは現地の胴元みたいな人に怒鳴り込まれていたこと。
「LOOKEAはまだここではゼロだよ、ゼロ!!
10ヶ月しかたってないでしょ!!」
ってなことを言われていた。
やっぱり新顔は何かと辛いね。



しかし、全体としては想像以上によかった。
プールは両隣と比べてもLOOKEAのが一番大きくてきれいだったし、
プールサイドもゆとりがあった。
隣はプールサイドがぎちぎちで芋洗いならぬ芋並べ状態。
LOOKEAは敷地面積に対して宿泊人数が少ないのかもしれない。
「このままのゆとりを維持して、部屋にバスタブをつければ、
4つ星クラスになって客室単価を上げられるかも」
夜のショーも去年のギリシャに比べたら1000倍ましだ。
でも出演者数がやっぱり少ないかな?
「ショーに出られるスタッフを増やせば、
レパートリーも増やせるし、一人にかかる負担が減るんじゃないの?」
いっぱしの評論家気取りで言いたい放題の我が家でした。

LOOKEAのスタッフは総じて皆親切でした。
構成はチュニジア人8割、フランス人2割、といったところか。
チュニジア人には何かと好印象な日本人、
今回もいろいろ得しました…。
毎日いろいろあるアクティビティーにも声をかけてくれて、
私や子供たちも何度か参加。
わたくし、ミニゴルフでホールインワンを出し、
カクテルチケットをゲットしました。

全体的にあんまりきっちり管理していないというか、
ドンブリ勘定的な感があると思っていたら、
それが最終日裏目に出ました。
トラブルその2。
帰る人が空港行きのバスに乗り切れない!!
それも一人二人ではありません。
なぜ帰る人数を事前にカウントしない?
当初の予定では夕方6時にホテル出発、7時半チェックイン、8時半フライト。
6時のバスに乗れなかった私たち含め多くの人が取り残されました。
いったいどうするの?
今出たバスが帰ってくるのを待つのか?
しかし空港までは混んでいなくても一時間弱。
二往復するのは不可能。
でも状況がどうなっているのかアナウンスなし。
まあ飛行機に乗れなかったらLOOKEAが費用負担して
また泊まらせてくれればいいんだけど。
その代わり次の飛行機は一週間後だ。
みんなそう思っているのか、焦っている様子はない。



と思っていたら、その日たまたま現地ツアーに行っていたバスが帰ってきた!
このバスをそのまま流用するらしい。
ということで、30分遅れで出発。
チェックインカウンターに着いたのが7時半。
普通ならヒジョーに焦るところだが、
この飛行機はLOOKEA専用機?だ。
LOOKEAのお客さんが全員乗るまで飛ぶわけないのだった。
すごいぜ、LOOKEA。
うちは前回のチュニジアで出国時にトラブルがあったので、
今回は滞在許可証の細かいところを突っ込まれないようにひたすら祈る。
何も言われなくてホッ。
やっぱりEU以外の国には大きな旅行会社と
来た方がいいのかもしれない。

カルタゴ

現地ツアーで砂漠に行くつもりだったのだが、
「最低10歳から」と言われ、いきなり挫折。
次に候補にあげていたカルタゴに行くことにする。

ところが運悪く(?)ツアー当日は
滞在中最高気温の50度!という予想。
しかもツアーは半日で、午後出発。
大丈夫か…?
ツアーはバスでカルタゴに行って、
カルタゴ見学15分。
さらにバスでチュニジアの有名な観光地、シディ・ブ・サイドに行き、
そこで1時間。
またバスで帰る、とほとんどバスに乗ってるだけ。
もちろん冷房つきのバスだったので、救われた。



カルタゴは広大な遺跡とのことで、
当時の浴場跡を見て終わり。
海をバックにした遺跡はきれいだった。
カルタゴに着くまで、ガイドさんが
チュニジア人の歴史に始まり、
カルタゴの歴史について延々としゃべる。
私はもともと歴史は苦手、
「フェニキア人が…エジプト人が…」と始まった時点で沈没。
一方歴史に強いダンナはフランス語の説明でも
けっこう知識の裏付けでわかったのだそうだ。



シディ・ブ・サイドはチュニジアらしい建物が立ち並ぶ、
青と白のコントラストが美しいところ。
そこで、今も人が住んでいるという、
典型的なチュニジアの家を見学。
部屋が54もあるのだとか?
大体自宅に専用モスクがあるなんて、
並大抵の家ではないことがうかがえる。
あとはつれづれと散策。

感想…フランス語リゾート

フランス語圏に来ると通訳代わりにされてイヤなのだが、
やっぱり通じるという点でメリットは大きい。
今年は着いて最初のオリエンテーションの説明もわかったし、
フランス語ガイドつきの現地ツアーにも参加できた。
子供たちもフランス語の通じるところの方がよいらしい。
友達と遊ぶのにも困らないからだろう。
また、他の宿泊客も比較的好意的に接してくれた。
集まっている人も似たような感性の人が多いのかも?
ノリのいい人が多いように感じた。
子連れどうしでよもやま話することもあったが、
こういうことは去年のギリシャではありえなかった。

子供たちはまたチュニジアに行きたいと言っています…。