芸術の都その2「音楽」

せっかくウィーンに来たのだから、何か音楽を聴きたい。
でも子連れ(含む赤ちゃん)では無理だろうと思っていた。。
どうしても見たいオペラがあればベビーシッターを頼むつもりだったが、
あいにく(幸い?)滞在中にはなかったし、
ウィーンフィルは今ミラノにいるとか。
でも、探せばあるのです、子連れ可能な演奏会が!!

<我が家の行ったコンサート>

◎マリオネットの「魔笛」

シェーンブルン宮殿内のマリオネットシアターで上演。
「魔笛」はほぼ毎日、他にも2演目あり。
スケジュールはホテルにパンフレットがあります。
要予約。
うちはゆりちゃんのみ子供料金がかかりました。

実際行ってみると、客席はとても小さいです。
子供向けかと思ったら、けっこう大人、
しかもお年よりが多くてびっくり。
「魔笛」はもちろん生演奏ではなくCDですが、
ほぼ全曲。
あまりに長ったらしい部分(繰り返しとか)は省略されてます。

一幕と二幕の間で休憩があります。
恐ろしいことに、このクソ暑いのに
クーラーの音が上演に差し障るためか、
上演中はクーラーを止めるのです。
しかも窓はしめっきり。
蒸し風呂状態です。
そのため、休憩になると皆カフェに直行しました。

マリオネット操作の上手下手はよく分からないけれど、
よくやってると思いました。
子供たちも「サウンドオブミュージック」でマリオネットを知っていたので、
そういう意味では実物を見られておもしろかったでしょう。
ただ、なにせ「魔笛」全曲演奏は
知らないものには辛かったようです。
子供たちもそれでだいぶ文句を言っていましたし、
ダンナも途中寝ていたとのことでした。
人形劇でもやはりオペラはオペラだということを
肝に銘じておくべきでしょう。

ウィンナワルツ

オペラ座の前を歩いていたら、
モーツアルトみたいな格好をしたチケット売りおじさんに遭遇。
(ウィーンではそこかしこにいます↓こんな感じ)



「うちは小さい子供がいるから行けない」と言ったら、
「大丈夫!歌やダンスもあるから」と言うので、
多少カジュアルでも行けないよりかはましかと行くことにしました。
聞けば、オーケストラは「当時の服装」で、
前半は「モーツアルト」、後半は「ヨハン・シュトラウス」の名曲を
演奏するとのことでした。
演奏だけではなく、「歌」や「ダンス」もあるとのこと。
モーツアルトは「魔笛」でも聞いたから、
子供たちも多少覚えているのではないかと期待していました。

ところが。

時間に指定の場所に行ってみると、
いつまでたっても閑散としています。
私はこっそり光におっぱいをあげていましたが、
終わってダンナが待っているところに行ってみると
受付の人と口論中。
どうやら、オーバーブッキングで会場に人が入りきらなくなり、
場所を変えたらしいのですが、
私たちは開演の30分前から待っていたのにもかかわらず、
後から来た人をどんどん新しい会場に案内して、
私たちを放っておいたということらしいのです。
結局タクシーで新しい会場に送ってくれました(もちろん費用は先方持ち)が、
ダンナがあまりにすごんだためか、ものすごくていねいだったそうです。
新しい会場はどこかの宮殿?と見まがうばかりの広い場所で、
最初のちょっと古くさい会場とは段違い。
ステージは大広間の中央にオーケストラとダンス用ステージ、
その回りを椅子が取り囲む感じで、サロンコンサート風。

さて、演奏が始まりましたが、
おっかしいな~、チェンバーオーケストラなんだけど、
誰も「当時の衣装」なんか来てないし、
だいたいしょっぱなからウィンナワルツ(多分ヨハン・シュトラウス)。
「モーツアルト」はどこに行ってしまったのか?
確かに「歌」や「ダンス」はありましたが…。
でも、レベルはけっこう高かったです。
もっとアマチュアなものを想像していたのですが、
それならウィーンの音楽レベルはかなり底上げされているということでしょう。
歌もうまかったし。
「メリー・ウィドウ」なんか、ちょっとぐっとくるくらいよかったですね。
もちろん「美しき青きドナウ」「ラデツキー行進曲」もやって、
気分はもうウィーンフィルのニューイヤーコンサート。
いや~、ウィーンフィルじゃなくってもこんなに楽しめるじゃん!!
当然のことながら拍手の嵐。
アンコールにはなんとウィンナワルツで皆さんダンスをどうぞ、と
本場ウィーンでウィンナワルツにのってダンスするという、
稀有な体験をしてきました。

さて、後日談。
ホテルに帰ってからいろいろとパンフレットを見比べてみたら、
私たちが連れて行かれたコンサートは全く別物であることが判明。
どおりで衣装や演目が違ったわけだ…。
でも、うちが行く予定だったコンサートと、連れて行かれたコンサートとの関係は?
なぜこんなことになってしまったのか??
謎は謎のまま残りました…。

◎番外・大道芸

観光地でよく見かける全身金ピカの大道芸、ご存知ですか?
メジャーなところではファラオの格好のが多いですが、
ウィーンでは金ピカの指揮者がおりました。





ウィーンにはクラシック音楽愛好家の心をくすぐる見どころが多いのですが、
何しろ時間が限られている上、興味はそれぞれ異なるので、
近場でなおかつ比較的興味の重なるところを厳選。
(この際子供の興味は無視)

◎オペラ座内部見学ツアー



予約不要。
毎日ツアーがあるので、時間の20分前に
ガイドツアー入り口に並べばよい(写真左手)。
一人6ユーロくらいかかったと思う(子供はゆりちゃんのみ)。
日に2回くらいツアーがあり、
英語以外のツアーは時間によって限定されている。
うちはフランス語のツアーに参加するつもりで行ったのだが、
いきなり声をかけられて「日本語のツアーがあるけど参加するか?」と聞かれた。
英語よりフランス語のほうがましかと思っていたが、
もちろん日本語の方がましに決まってる。
(ちなみに日本語ツアーは隠しツアー。
入り口に貼ってある英語以外のツアー案内には載ってない)
だいたい40分くらいのガイドツアー。
各言語ごとに見始める場所は違うのだが、回るところは同じ。
客席↓、



皇帝の控え室(壁紙は金箔、ドアの取っ手は象牙。
この部屋だけ借りることもできて、2時間で20万円くらいだって。
どこぞのオケのレセプションに使えるじゃんと思った私たちでした)、
ビュッフェ、最後に正面玄関で終わりでした。
ビュッフェにはマーラーやカール・ベームなどの胸像あり。
マーラーの胸像はロダン作と言ってたそうですが…。

正面玄関は19世紀末の建築当時のままですが、
その他は戦争で焼けて再建されているそう。
だからか、正面はけっこう黒くすすけています。
内部も豪華というよりは重厚な感じ。
見学当時、その日の夜の演目「トリスタンとイゾルデ」の
舞台設営をしていました。

◎その他モニュメントなど

コンツェルトハウス、ムジークフェライン:
悲しいが前を通っただけ。
ムジークフェラインは内部見学ツアーがあるらしい。
街頭ポスターで見て我慢する。

 

でも、現在外壁工事中?のムジークフェライン。
無造作に張ってある工事現場のポスターですらかっこいい。


左下、ケント・ナガノ。その隣はアーノンクールです。

各種人物像:
ヨハン・シュトラウス、モーツアルト、ベートーベンあたりは有名か。
モーツアルトの像のある市民公園は
ブルックナーとかシューベルトの像もありました。

  

ベートーベンが住んでいた家「パスクァラッティハウス」:
滞在したホテルから近かった。
交響曲4、5、7、8番、オペラ「フィデリオ」などを
作曲した家らしい。
今も使われているアパートのエレベーターなしの4階。
当時のアパートのデッサンがあったが、
今とほとんど変わっていなかった。
ベートーベンの性格が現れているような、
こざっぱりとした手入れの行き届いた部屋。
もちろん一般公開用にきれいにしているんだと思うけれど、
同じように見たザルツブルグのモーツアルトの家は、
なんだか雑多な感じ。
こういうところに本人の性格が出るのかしら?

ミュージックショップ:
ドブリンガー(シュテファン寺院近く)、アルカディア(オペラ座一階)
に行きました。
ドブリンガーにて楽譜購入。



楽譜類はけっこうたくさんあると思いますが、CDは普通。
パリ・ヴィレットの「マエストロ」の方が
楽譜は多いかもしれません。
アルカディアに至っては、半分おみやげ物屋さんという感じ。
ダンナはこういうところでご当地CD(現地にしかないような
マイナーなCD)を探すのが好きらしいのですが、
今回は収穫なし。