進級

学年が終わるちょっと前から、ゆりちゃんは
「ゆりちゃんはCE1になるよ」と言っていた。
CP(一年生)の次の学年はCE1(二年生)。
理屈上はそうだが、フランスは誰でも進級できるわけではない。
小学校一年生から落第があると聞いていたので、
ゆりちゃんだってわからないと思っていた。

あるときまた「CE1になるよ」と言っていたので、
「どうしてわかるの?」と聞いたら、
「ouiのほうがnonより多かったから」と言う。
成績表の話をしているのかと思ったが、そうではないらしい。

6月になってゆりちゃんが
「さは(sara)はCE1になれないんだよ」といきなり言った。
「どうして知ってるの?他にもなれない子いるの?」
「うん、○○と××と△△と…」と
すらすらと名前を挙げるではないか。
「そんなになれない子がいるの?一体何人なれないの?」
「5人」
ゆりちゃんのクラスは25人。
そのうちの5人とはけっこう高い割合だ。
CE1になれない理由として彼らは
「うるさいから」と言っていたが、
そんなことだけでなれないのだろうか…?

学年末の一週間前、もーふぃーぬのママから
「ユリはCE1になれた?」と聞かれた。
やはり「なれる」「なれない」ものなのだ。
「まだわからない」と答えると、
「でも、担任から事前に呼び出しをされたりしていないでしょ?
危ない場合は呼ばれるから、そうでなければ大丈夫よ」と言う。
その数日後、ゆりちゃんも成績表を持って帰ってきた。
ここにその結果が載っているのね。
いつもは頭から見ていく成績表も
今日ばかりは最終ページから見る。
そこに先生のコメントが出ているからだ。
先生からはお褒めの言葉と「CE1に進級できます」の文字。
やったー!!

上がCE1に進級OKの欄。
もし下にチェックが入っていたら…もう一度CP。


成績表にはいつもテストがはさまって返ってくる。
今まで確認テストくらいにしか思っていなかったが、
どうやらその出来が進級を左右しているようだ。
よく見ると直近3ヶ月の理解度確認テストらしい。
算数2枚、図形1枚、そしてフランス語3枚もある。
ずいぶんがんばったなあ。
毎日の授業と週三回のエチュードだけで
よくここまでやったもんだ。
ずっと言い続けていたのはよっぽど嬉しかったからなんだね。