フランス語の授業

日本でもひらがなの読み書きは小学校に入ってから習うように、
フランスだってフランス語の読み書きは小学校で習う。
しゃべるのはしぜんとできるようになっても、
いざ読み書きとなるとフランス人だって苦労するはず。
一体どうやって覚えていくのかな?と思って、
毎日ゆりちゃんが持って帰ってくるノートを一緒に読んだ。

最初は母音から勉強していく。
今日はA、次はO、という感じに、
一つずつ母音を取り出し、その母音を含んだ単語をいくつか列記。
そのとき例外も一緒に学ぶ。
例えばAIと続くと「アイ」ではなく「エ」と読むとか。
母音と平行して少しずつ子音も入ってきていた。
RとかPとか、比較的最初に目に触れる単語に
含まれている子音を選んでいるのかな?

ゆりちゃんのクラスではまだ教科書を使わないので、
発音の勉強と同時に短い話を読んでいた。
一ページに短い文章が一つだけあるような、
絵本のような話だった。
ゆりちゃんは上手に読んでいたが、
先生が読んだのを一緒に読んでいるのだろうから、
暗記しているだけなのかと思っていた。

ところが、母音を覚えた段階で、
ゆりちゃんは格段に字が読めるようになっていた。
文章を見て、まず知ってる単語は読めるし、
知らなくてもつづりを見れば読めることが多い。
ジュースのパッケージを見て
「jus de pommeじゅーどぽんむ(りんごジュース)」が
読めたときは驚いた。
どうしてjusのSを読まないって知ってるの??

書くほうは小学校に入ってからほとんど筆記体。
授業でもらうプリントももちろん、みんな筆記体で書いてある。
フランス語の筆記体ってちょっとわかりにくい。
教科書はブロック体なのに、書くのは筆記体ばかりでは、
新しい単語が読めなかったりわからなくなったりしないのかなあ?と思うけれど、
今のところ支障はないらしい。
連絡帳も最初はプリントをもらってきていたのが、
だんだん自分の手で写してくるようになった。
これも書く練習の一環なんだね、きっと。

12月に入って初めて小さな本をもらってきた。
読む練習がいよいよ始まるらしい。
以前にもやったような、一ページに一文しかない絵本だけど、
ゆりちゃんは嬉々として読んでいる。
コンセルバトワールのお友達にも見せびらかしていた。
読めるってこんなに嬉しいことなんだって
ゆりちゃんの様子を見ていて初めて気がついた。