CE1

ゆりちゃんはCE1(2年生)になった。
担任の先生は去年と同じパトリシア。
パトリシアの予言どおりだったので、
ある程度目論見があったのだろう。

混合クラス

今年のクラスはCE1、CE2(3年生)の混合クラス。
ちょうど半々ずつくらい。
一体どういう風に授業をするのかなと思ったのは
もちろん私だけではないようだった。

新学期早々のクラス懇談会。
一時間半ほどの予定の半分近くが
「なぜ混合クラスなのか」の説明に費やされた。
朝早くて寝ぼけていた私、
おまけにパトリシアは早口なので、
いまいちよく分からなかったのだが、

CE2の落ちこぼれクラスではないし、
CE1のできる子のクラスでもない。

お互いによい影響を与え合うと思っている。
具体的には
CE2の子はあいまいな部分をCE1の授業を聞いて確認できるし、
CE1の子はCE2の授業を聞いて刺激を受けられる。
授業は片方が先生の説明を聞いているときは
もう片方は練習問題をやる、という感じに進める。

教科書は基本的に同じ物を使う。
(フランス語に関しては、CE2の方が2冊よけいに
本を読むようだった。
CE1は一年で12冊)

ここまで聞いて自分がCE2の子を持つ親だったらどう思うか?
「うちの子、やっぱり落ちこぼれたんじゃないの?」
と思うよねえ。
事実、CE2の親からは質問の嵐。
とうとうその場で終わらなくて、
後日成績評価についてCE2の親とパトリシアで
話し合いの場を持つことになったらしい。
私なんかは「おいおい、ゆりちゃんはついていけるのか?」
とそっちの方が心配だったが、
CE1の親の中には
「こんな混合クラスで適切な教育が受けられるの?」
と思ってる人もいるらしい。
人それぞれである。

辞書

用意する学用品は去年とほとんど変わらないが、
CE1になって初めて用意するものが
ルーズリーフと辞書。
持って帰ってくるノート類をチェックしてみると、
今までのノートは単なる練習帳だったけど、
今年はなにやら定義を写してきたりしていて、
ようやくノートらしくなってきた感じ。
写している本人はよく分かっていないようだが…。
辞書は「できればPetit RobertのCE/CM用を」とあったので、
言われるままそれを買う。
てっきりイラスト満載の字の大きな子供向け辞書を想像していたが、
おっとどっこい、収容語句20000語もある、立派な辞書だ。
大人の使用にも十分耐える。
こんなのを使って勉強するんだねえ。

勉強内容

histoire(いすとわーる・歴史):前史時代からやってると気が遠くなるので、
中世をやるのだそうだ。
学年末までにパリの博物館だか美術館に
見学に行くらしい(どこに行くのかはよく分からない)。
するとすかさず父兄から「プロヴァンはどう?」という意見が。
Provinsプロヴァンはパリ郊外の中世の町並みが残る町。
私も名前くらいは知っている。
でもパトリシア曰く「半日で帰ってこなければならないので、
ちょっと無理です…」。
聞けばどこに何を見に行くかでも統括機関があって、
時間制限やらなにやらけっこううるさいらしい。

geographie(じぇおぐらふぃ・地理):大陸や国のことを学ぶ。
ユリがいるのでアジアや日本にも目を向けてくれるらしい。

science(しおんす・理科):詳しい話はなし。

francais(ふらんせ・フランス語):去年と同じ。
つまり読み、書き、ポエジー(詩)などなど。

mathematique(まてまてぃっく・算数):かけ算をやるらしい。
あとは計測の概念をやるのかな?ものさし必須。

去年言われた英語は先生が見つからず、
CE1は見送りになったらしい。
(CE2はあるんだと)
だからその時間だけはクラスが分かれて行動する。
CE2が英語をやってる間、CE1はパソコンをやるそうだ。

そのほか、音楽(週1)、美術(月2)、体育がある。
体育は週2回の授業のほか、週一回のプールも。
プールは学校からバスに乗って近くの市営プールに行っている。
水着は自由、ゆりちゃんはビキニしか持っていないが
それでもOKだったらしい。

その他、パトリシアは海辺に遠足に行きたいようだけど、
これもどうなることか分からない…とぼやいていました。
なんだか盛りだくさんで忙しいけど楽しそうだね。

不思議な宿題

CE1が始まって最初の頃は
まだCPの延長という感じだったが、
不思議な宿題を持って帰ってきた。
<その1>
オリンピックのシンボルはなぜ輪が5つなのか?
また輪の色の意味は何か?
こんなの調べればすぐわかります。
が、フランス語で説明できなきゃ意味がない。
家中のフランス語の百科事典をひっくり返す。
子供向けの百科事典にとりあえず5つの輪のことは
書いてあったので、それを持たせる。
色のことは分かりませんでした。
だから「学校でよく聞いてくるように」と送り出す。

<その2>
数字2つと単語1つで構成されている数字を三つ挙げよ。
ここまできたらもう「なぞなぞ」の世界!!
私はない知恵を振り絞ってはっとひらめく。
「もしかしてvingt et unばんてあん(21) じゃない?」
われながらいいアイディアです。
こういう数字が他にもあるのよ~と得意げに教えて送り出したのだが、
夕方帰ってきてゆりちゃんが一言「ママ、違った…」。
もう大ショック。
どうやら問題文を読み違えたのか、
『数字二つ「もしくは」単語一つで表される数字』だったらしく、
答えは10,20,30…といった10の倍数。
こんな謎めいた宿題が続くようなら、
これだけで一コンテンツにしてやろうかと思っていましたが、
今のところこの二つ止まりです。

勉強は大変

CE1になってやっぱり勉強が難しくなってると思う。
今のところ授業にはついていっているようだが、
持ち帰るノート類をよくチェックしないと
全然できてないじゃーん!!なんて項目があったりする。
そういうのは見つけ次第、私と特訓開始だ。
人よりできる必要はないが、分からない部分をそのままにしておくのは
もはや命取り。
最初出来なくても、次回はできるように…。
それだけを考えてます。
宿題も新しく習った単語を3回ずつ書くのだとか、
詩を暗記していく程度なら楽勝なのだが、
文法の分からない部分の説明は親も大変よ。
難しい熟語や用語を使えないしね。
いかに分かりやすい日本語でフランス語を説明するか。
二重の負荷を背負ってる。

今年は週2回etudeに参加させているが、
上記のようなことがあるのでetudeで宿題を終わらせたからといって
油断はならない。
家でもう一度宿題をやらせ、できなきゃ一から教える。
去年みたいに5分で終わり、というわけにはいかない。
あ~、他のフランス人の子供もこんなにしてるのかな?
もーふぃーぬのママや私のフランス語教師フランソワーズが
「もしわからないことがあったらいつでも聞いて」と言ってくれてるのが
心の救い。

第一次世界大戦


ゆりちゃんの持って帰ってきたプリントやノートなどを
チェックしていたら、やっていないプリントが出てきた。
時間がなくて書けなかったと言うので家でやることにする。
しかしよく見てみると第一次世界大戦のことらしい。
イラストとその名称を一致させる問題からして
すでに少し手に余ったが、
「第一次世界大戦はなんと呼ばれていたか」で完全にお手上げ。
la guerre des .......................
空欄になんという言葉が入るのか、私の乏しい知識ではまるでわからない。
歴史に詳しいダンナも知らなくて、フランス語の辞書を引いてみたりもしたけれどダメ。
後日フランス語のレッスンのときに
先生のフランソワーズに聞いて判明した。
tranchees(塹壕)が入るのだそうだ。
そういえばイラストと名称を一致させる問題で
確かにこの単語は出てきたので見知っていた。
言われてみれば「な~んだ、そういうことか」という感じで
CE1レベルの子供が勉強することだな、と思うのだけど、
先生ともども「CE1でもう第一次世界大戦のことを勉強するの?」
というのが驚きだった。
ちなみに先生のご主人によると「フランスでは普通のこと」なのだそうだ。

本を読め読め!プロジェクト


toussaintの休みが終わってすぐ、
週に一冊ずつ本を読むプロジェクトがクラスで始まった。
当初の説明で12冊本を読む、と言っていたのが
どうやらこれのことらしい。
ポケットブックのような薄い本だが、
30ページくらいはある。
本を読むと翌週に内容についてのquestion(フランス語では
けすちょん、と言う)があり、
正しく答えられた数だけポイントが蓄積されるらしい。
最初の頃ゆりちゃんはきちんと内容を理解して読むことができず、
読み終わった後に試しに内容について聞いてみると
まるで答えられなかった。
これはまずかろう、とダンナと私で一冊丸ごと日本語に訳して
親が内容を理解した上でもう一度ゆりちゃんに読ませた。
その後はそこまではしなかったものの、
本を持って帰ってくるたびに私も読み、
家で想定けすちょんをした上で送り出していた。
本当は「大人の手を借りずに本を読む」のが主旨だったらしいけど、
とてもそんなことを言っていられない状況だったのだ。
そのうちだんだんゆりちゃんも慣れてきたのか、
本を読み下すようになってきたし、
想定けすちょんをすることもなくなっていった。

EUのお勉強


フランスはヨーロッパの一つの国なので、
ヨーロッパ各国の名前や首都、国旗などを学び始めた。
それから間もなくゆりちゃんから
「旗に星は何個あるでしょ~?」と問題を出された。
旗に星、しかもたくさんといえば
アメリカ国旗しか思い浮かばない私は典型的日本人か?
15個だよ、丸いんだよと言うので、
EUの旗か、と気付く。
でも15個あるとは知らなかった。
「どぅーみるきゃとる(2004年)になったら、
星が10個増えるんだよ」
に至ってははあ~と感心するばかり。
ラ・デファンスでEUについての勉強をしに行ったりもした。
(EU関連の建物があるのか、その辺は不明)
その後は「何のためにEUは作られたのか…?」なんて勉強も
当然のことながらやっていた。