友達ができた

フランスに来てから今まで知り合いと言えば、
何かとお世話になってる隣家のおじいちゃんおばあちゃん
(ちょっと英語ができる)、
行きつけのスーパーのレジの優しいお姉ちゃん
(フランス語オンリー)、
行きつけのパン屋のおじさんおばさん
(フランス語オンリー)、
そして幼稚園の先生(ほとんどがフランス語オンリー)でした。

毎日幼稚園のお迎えに行くうちに、
よく見かけるお母さんの顔を覚えてきました。
だからと言っていきなり「いつも会うわね」とは
ちょっと恥ずかしくて言えないし、
だいたいフランス語で言えないじゃあないですか。
しかし同じように私のことを認識しているお母さんもいたようです。
特にうちは誰にでも愛想のいいらんちゃんを連れているので、
彼女を介して寄って来る人が多いのです。

そうして知り合ったのがマリーナです。
彼女は英語が少しできたので、
私がフランス語ダメと分かって英語で話しかけてくれました。
偶然家が目の前だったこともあって、
すぐに親しくなり、
家に呼んでくれました。

彼女は「私たちは友達だよ」と言ってくれ、
帰り際にビズ(ほっぺにチュ)をしてくれました。
ああ、これぞ友情の証し!
フランスで友人ができるなんて!!

マリーナはコロンビア人です。
フランス人のご主人と結婚して
フランスに来たのでした。
最初はスペイン語しかしゃべれなかったそうです。
きっと大変な思いをしてフランス語を習得したのでしょう。

フランスは多民族国家です。
周りを見回しただけでもいろいろな国から来ています。
マリーナのお友達コルマ(セネガル)、
スーパーのサービスコーナーのおじさん(チリ)、
ゆりちゃんのお友達サラ(チュニジア)、
ゆりちゃんのお友達アレックス(中国)、
ゆりちゃんの一番のお友達ジョルジーナも
肌の色が黒いので、おそらくどこか他の国から
フランスに渡ってきたのでしょう。
でもここではそんなことは全然関係ないのです。

マリーナと知り合ってから
私も少し前向きになれたのか、
他にも少しずつ知り合いができてきました。
ジョルジーナのお母さん、
ゆりちゃんのお友達アントワーヌのお母さん、
ゆりちゃんのお友達キャロリーヌのお母さん…は
あと一歩かな。

マリーナは私に会うたびに少しずつ
フランス語を教えてくれます。
いつかフランスでの共通語フランス語で
意思疎通できることを夢見て。