家探し

引越しのショックから立ち直るとすぐに家探し。
近所の不動産屋を駆けずり回って、広告を集める。
広告はたくさん集まるが、ほとんどが売り物件。
貸し物件はわずかなのだ。
友達からネットで家探しできると聞き、そこも当たる。
貸家をいくつも持ってるらしい隣家のおじさんにも
ツテがあったら頼むと声をかける。
会社が頼んでいる代行業者にも声をかけたのだが、
土曜日はやっていない上に
最短で二週間後じゃないと予定が空いていないと言う。
不動産業者が土曜日休みって何事?
さすがのフランス人だって働いてるよ。
代行業者の動き出しを待っていたら間に合わないかもしれない。
ということで、期待しないで勝手にこちらで
行動することにした。

ここで問題となってくるのが「どこに住むか」。
子供の学校がキーになっていた。
住所で学区が決まっているので、
他市に引っ越した場合はもちろん、同じ市内でも
ちょっと離れただけで学区が異なる。
今の学区内で家を探したかったが、
このあたりは古い住宅街なので期待できない。

転校する気があるか?

今住んでるマルメゾンはちょっと高め、
パリから離れれば離れるほど、同じ値段でもっと広い家が借りられる。
子供たちはフランス語にも慣れたし、
おそらく転校してもやっていけるだろう。
ただ、それは子供側の都合。
受け入れる学校側はどうだろう。
もしかしたら学校始まって以来の外国人児童の可能性もある。
先生が無理解の可能性もある。
せっかく今の小学校とはいい関係を築くことができたのに、
そのリスクをまた一から負うか?

決め手は子供の「友達と別れたくない」だった。
やっぱりなるべく学校から近い家を探そう。
たとえ学区外でも近ければ通える。
越境うんぬんについては、決まってから考えよう。
そう決めてからは範囲がぐっと狭まり、探しやすくなった。

連日の広告チェックでこれはという物件を一つ見つける。
さっそく電話して見学の予約を取る。
そして見学の前日に郵便箱に投げ込みされていた地域の情報新聞に
なんとマルメゾンの貸し物件を発見!!
その瞬間に受話器を取る。
先方の不動産屋は新聞広告のことをよくわかっていなかったのか
「そんな広告は出してない」と言われたが、
「今日入った新聞に出ていたんだ」とねばり、
無事通じる。
同じく翌日に見学させてもらえることになった。
フランスでの家探しを経験しているダンナと違って、
私は初めての家探し。
「数をたくさん見ると目が肥えてきていろんなことが分かる」と言われたので、
とりあえずこの2件の物件見学は練習のつもりだった。
ここまでで退去通知から2週間。