弦セレ

かなり趣味の入った音楽ネタですが、
どうしても「フランス人気質」に入れずにはいられません。

先日ふとした事からチャイコフスキーの「弦楽セレナード」(以下「弦セレ」)が欲しくなり、FNACという店に行きました。
FNACはCDだけでなく、本やビデオやDVD、はたまたオーディオ製品やパソコン関連商品もある、なんていうか総合AVショップです。
フランスでは多分ここが最大のCDショップだと私は思っています。
クラシックを豊富にそろえている、という点で。
ここなら当然「弦セレ」もあるだろうと思ったのです。
だって超有名曲ですから。

ところが、いくらチャイコフスキーの棚を探しても見つかりません。
もしかしてフランス語表記だとチャイコフスキーはTから始まらないのかもしれない、そんなことまで考えました。
私はドボルザークの「弦セレ」も一緒に欲しいと思っており、たいていチャイコフスキーと一緒にカップリングされているので、それなら確実にDから始まるドボルザークの棚を検索してもいいだろうとドボルザークの棚に移動しました。
ところが見つかりません。

店内を何周もしたあげく、「弦楽合奏」という棚の存在を発見しました。
そこでようやく目指すチャイコフスキーの「弦セレ」を発見。
ところがわずか2枚しかありません。
求めるドボルザークの「弦セレ」も一緒に入っているとなると、一枚だけです。

その時点で探し疲れていましたが、お店の人にたずねてみました。
私「チャイコフスキーの『弦セレ』を探しているのですが」
店「チャイコフスキーの棚になかったですか?」
私「弦楽合奏の棚には少しあったんですが」
店「見てみましょう」
チャイコフスキーの棚を見てくれる。
店「この一枚はありますが…(と言ってシンフォニーと一緒に入っているCDを示す)」
私「できればドボルザークの『弦セレ』も入っているのがいいんですけど」
店「それは難しいですね」
ドボルザークの棚も見てくれるが、やはり見つからない。


店「ドボルザークとチャイコフスキー(の「弦セレ」)が一緒に入っているのはまずないですよ


その後、在庫カタログを見てくれ、店頭にはないが在庫で一種類ドボルザークとチャイコフスキーが一緒に入ったCDがあるが、注文するか聞かれる。
そこまでする気はなかったし、だいたいその在庫CDがあまり気に入らなかったので、断る。

結局最初に見つけたチャイコフスキーとドボルザーク、そのほか何人かの「弦セレ」が一緒に入ったCDを買いました。
私はショックでした。
チャイコフスキーとドボルザークの「弦セレ」が入ったCDなんてどこでも売っているポピュラーな商品だと思っていたのに、フランスではそうではなかったのです。

ダンナは、クラシックCDの種類はオランダやイギリスの方が豊富だと言います。
日本だって決して少なくないでしょう。
フランス人はクラシックをあまり聴かないのでしょうか?
それとも好みの傾向が異なるのでしょうか?
クラシック専門店なるものが別に存在するのでしょうか?
大いに疑問です。