どうして私に道を聞くの?

フランスに来てわずか3日目、
信号待ちをしていたら目の前に車が止まり、窓があいた。
運転していたマダムが何か言っている。
このシチュエーションで考えられることはただ一つ、
道を聞いているんだ!
フランス語はもちろん、今は英語で聞かれても日本語で聞かれても
教えてあげられない。

数日後、またまた道を聞かれる。
今度はトラックの運ちゃん、何言ってるんだかさっぱり分からない。

三回目は歩いているお兄ちゃんに聞かれた。
今回違ったのは彼が英語を話せたということ。
普通道をたずねて相手がわからなければ、
即座に次の人に当たるのだけど、
彼はよほど困っていたのか急いでいたのか、
どうにか私から答えを引き出そうと一生懸命だった。
また聞かれた先が幸運にも私の知っているところだったので、
やっと教えてあげることができた。

なぜどう見てもフランス人には見えない私に道を聞くのか?
ダンナは「オランダ人だと思ったんじゃない?」と言っている。
確かにオランダで髪を切って以来、オランダでも道を聞かれることが
多くなったのだった。
うちの近所は日本人はおろか、東洋系の人が少ない。
それでも道を聞いてしまうあたり、
外国人という概念があまりないのか、
困ったらわらをもつかむ精神なのか…。